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  • 執筆者の写真Genfu Yagi

斑点からの年齢推定論文の公開(Yagi et al. 2023)

更新日:2023年3月23日

この度,アメリカの海棲哺乳類学会(The Society for Marine Mammalogy)の発刊する国際誌,Marine Mammal Scienceに論文が掲載されました.

対象種は東京都の伊豆諸島周辺に生息するミナミハンドウイルカ(Tursiops aduncus)です.

本種は成長に伴い腹部に斑点を形成するという特徴があります.私たちの研究チームの以前の論文(Yagi et al. 2022)では,この斑点がどのようなパターンで形成されていくのか?性差があるのか?を調べました.

前回の研究では,斑点が生涯を通して増えていきそうであることと,その出現の早さやどこから出現しどのように拡がっていくのかというパターンが個体間で一致斑していること,体全体に斑点が拡がるスピードに性差が認められないことを報告しました.

そこで,これは年齢推定に使えると考え,本研究の着想に至りました.

本研究の内容については様々な新聞社から解説する記事を出していただいておりますのでご参照ください.


○論文情報

タイトル:Noninvasive age estimation for wild Indo-Pacific bottlenose dolphin (Tursiops aduncus)using speckle appearance based on Quantification-theory model I analysis.(数量化I類による斑点模様を利用した野生ミナミハンドウイルカの非侵襲的な年齢推定手法)

著者:八木原風1, 2,小木万布3,酒井麻衣2.

所属:1 三重大学大学院生物資源学研究科生物圏生命科学専攻、2 近畿大学農学部水産学科海棲哺乳類学研究室、3 御蔵島観光協会


○論文の公開,報道状況

1/31. Early Viewによる論文の公開

2/02. 近畿大学プレスリリース(NEWSCAST):https://newscast.jp/news/6809391

2/17. 読売新聞夕刊(オンライン公開なし)

3/07. 毎日新聞ニュースサイト,3/09 毎日新聞夕刊:https://mainichi.jp/articles/20230306/k00/00m/040/086000c

3/18. ナゾロジー:https://nazology.net/archives/123248


○関連リンク

・近畿大学海棲哺乳類学研究室:https://mm-kindaiuniv.jimdofree.com

・御蔵島イルカ個体識別調査チームHP:https://midolphin.jimdofree.com

・御蔵島観光案内所HP:https://midolphin.jimdofree.com





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